愛に飢えた子どもだった私は、癒されない大人になった

 私は愛されたかったのだ。守られたかった。
 家庭の中で、学校の中で。

 家族の愛に飢え、優しさに渇(かつ)え、安心に乏しい環境に傷つき続けてきた。
 母より与えられるはずだった、優しいもの、柔らかなるもの、温かいものは、あまりにも乏しかった。

 孤独感と孤立感と生きづらさ、わけのわからない恐怖と不安と強迫観念に、長い間苦しめられてきた。その原因が、やっと実感できるようになってきた。

 私は愛されたかった。母に、私だけを愛してほしかった。その優しさや笑顔や庇護のまなざしを、どれほど欲したことか。だが、その欲求は、過酷な家庭環境の中で封印され凍結し、その氷った感情の冷たさが、孤独感と疎外感と、著しく低い自己評価となって現れたのだ。

 私だけを見つめてほしい、私だけを愛してほしい。そんな母への欲求が、長じて恋愛関係に反映し、女性の愛し方に病的なまでに依存的な影響を与えるのは当然の結論だった。

 けれども、いったいどんな女性が、アダルト・チャイルドを満足させられるだろうか。
 そんな人間はいない。一人の人間に癒せるほど、浅い傷ではない。そのことを自覚せざるをえなくなった。

 たとえ、私がすてきな女性とめぐりあい、結婚して子供を得たとしても、私のアダルト・チャイルドのトラウマと機能不全家庭の後遺症は、妻や家族の間だけで癒されるものではない。

 本当に癒されたかったし、自分を癒したかった。求めていたのは、それだけだった。しかし、自分の力や特定の個人や相手による癒しの試みは、ことごとく失敗し、この30年間、無益で痛ましい結果を生んだだけだった。

 たったひとりの母の愛を、たったひとりの恋人に、たったひとりの妻に、求めることの無理と不可能を知らずに、生きてきてしまった。

 母には母の事情があったし、大人の私には、どんなに大変だったかわかるけれど、事実は事実として認めざるをえない。

 私には、母からの愛が足りなかった。親からの愛が、足りなかったのだ。
 母のまなざしが、抱擁(包容)が、愛が欠乏していた。
 情緒的に、親は「不在」だったに等しい。

 それが、やっと辿り着いた、私の生い立ちの真実だ。
  
 それが、真実。そうでなければ、私はアダルト・チャイルドになりはしなかった。


 
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Commented by riko at 2010-02-16 12:08 x
私がACを知ったのは、仕事関係の精神科医との立ち話で、「恋愛依存」という言葉を聞いたのがきっかけでした。
レンアイイゾン・・・
まさに私は恋愛依存だったのだと思いました。

出会って好意を持って。
でも相手が振り向いてくれると、何故か気持ちがすーっと冷める。
そして相手を傷つけて別れる。
恋愛ごっこのようなことを繰り返していました。
本気で好きになったり、深い関係になったりということはありませんでした。
その謎が解けた瞬間でした。

私も絶対的に足りなかった何かを求めて、彷徨っていたのでした。
空しさは募るばかりなのに。


罪な病気ですよね。(笑)
Commented by 心炎 at 2010-02-22 01:50 x
Rikoさん、ご返事おくれました。
まさにACの典型のような恋愛体験ですよね。
あと、よくあるのが「ささい相手の欠点をゆるせずに、さばいて即、別れる」というケースです。

全体、ACは余裕がないから、相手を許したり受け入れたりができないんですよね。そもそも親が、私たちを許し受け入れてくれなかったんですから、学べなかったわけで。

しかも、許して受け入れられたと思ったら、実は相手に依存していたり共依存になっていたりして、ACの恋愛習性を知って、自分に当てはめると、健康な恋愛なんて一生できないのじゃないかと、絶望的な気持ちになることも、しばしばです。
Commented by riko at 2010-02-22 16:53 x
>まさにACの典型のような恋愛体験

げげげっ!そうなんですね。
そうなんじゃないかなあと実は密かに思っていました。(笑)
そんなこんなで若かりし頃、魔性の女と噂されたこともあります。
魔性じゃなくて、“あだるとちるどれん“だったんだよと、言い返してやりたいです。
まあそれは冗談ですけど、思い返すと痛々しい過去でして、今目の前にそんな少女がさまよっていたら、思いっきり抱きしめてやりたいです。

心炎さん、マジでありがとうございます。
Commented by at 2012-08-04 01:49 x
私の言葉かと思ってビックリしました。
Commented by 心炎 at 2012-08-05 12:29 x
花さん、コメントありがとうございます。
びっくりなさる必要はありません。
ACはみな同じということです。
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by ecdysis | 2010-02-15 02:33 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(5)