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私を私たらしめよ、他人を他人たらしめよ

 お盆に、母と弟の墓参りに実家に帰省して、自分の父親のおかしなところ(極端なAC性)や、自己愛性人格障害に該当するらしい彼の言動の理解しがたさに気づいて、ショックを受けた。

「どうも変だ、変だ、尋常ではない」と、この二十年以上思ってきたのだが、アルコール依存以外で、まさか自己愛性人格障害だとは思わなかった。昨年の帰省まで、父の状態が病名のつけられる精神障害だとは気づかなかった。もちろん、専門の医師の診断ではないから、断定はできないが、素人にもできるチェックシート形式のサイトで確認したら、90%が該当する。
 アルコール依存の結果、進行したのかもしれないが、母にきいた彼の若いころの話や、もっと前の写真などから、前段階の成育歴でどうもすでに問題があったようだ。今までは、それを母親(私の祖母)のしつけがなっていなかったせいだと、無知による非常識だと思ってきた。

 ところが、自己愛性人格障害になっていたとしたら、父のアルコール依存が進行する前の若いころからの不可解で非常識な言動の多くに説明がつく。父の場合、まず自己愛について大きな問題があって、それを補償する手段としてアルコールに走ったということだろう。
 こういうことに今年気づいたということは、やはりACの自助グループに通っているおかげだろうと思う。

 考えてみえば、父の父がアル中で、父の母は境界性人格障害者だったのだから、両親がどちらも重度のAC&アル中ならびに人格障害者だったら、子供もなんらかの精神疾患や障害を持つのは、当然の帰結。私は自分の父親のことで、小学校高学年のころから恥の感覚に苦しんできたが、まさかアルコール依存よりも前に、精神に重度の病的症状を抱えていたところまでは気づけなかった。

 そして、父だけでなく、自分がACであるゆえに、友人知人にも大なり小なりACの問題や病的な家庭の問題に苦しんでいたり、回復に努力している人たちが多いことも、この気づきにつながった。中には、いい年をして父と同じような言動で、他者に不快さを与えているのに気づいていない人もいたりする。

 そして、父のことで気づいてから、自助グループでもらったスローガンが脳裏を走って離れない。

「Live and Lets Live」

「自分は自分、人は人」という翻訳がなされているが、私は「自分は自分の生きたいように生きるから、相手は相手の生きたいように生かしめよ」と訳している。「自分の生き方は自分のもの。相手の生き方は相手のもの」で、それが健全であろうと病的であろうと、回復に向かおうと回復から離れたものであろうと、責めたり裁いたり批判したり、たとえ善意でも相手を意図的に変えようとしたりするのは意味がない。

 相手が、たとえばひどい泥道をころびながら歩いているとしても、相手が別の良い道を探したり、より楽でまともな道に移りたいと願わない限り、その泥道を歩かせるしかないのだ。傍目に見て、どんなに気の毒でやきもきしようと、本人がその泥道しか歩けないと信じている限り、だれにもその人を乾いた舗装道に導くことはできない。

 舗装道を歩くべき人が、いっしょに泥道に入って歩いて転び続けると、それは「共依存」になる。両方とも泥まみれになっては救いがない。どちらかが舗装道に移って、泥道以外にも歩く道はあると示さないといけない。示しても、相手が泥道に固執するなら、あとは「彼の行きたいようにさせよ」ということだろう。

 ちなみに、私が見た自己愛性人格障害者に関するサイトでは、その病気に対する治療方法としてのカウンセリングや対処法が載っていた。それを読んでまた驚いた。
 具体的に書くと長くなるので結論だけいえば、長年、私の母や母の実家の人たちが、父に対してとってきた、忍耐強いゆるしや、相手の感情をおしはかりながらの忠告や諌めや、あるいははっきりした言動の異常の指摘などの態度は、みな「カウンセリング」的に正しい方法だったということだ。
 母と母の実家の祖父母と叔父たちは、さんざん父にふりまわされてきたし、母などは共依存ではあったが、少なくとも自己愛性人格障害者に対する「治療者」として行動してきたことが明白になった。私も成人してから、知らぬ間にその末席に連なってきたのだ。

 母たちを、はたで若いころからみてきた私は、思い返すと涙がこぼれてくる。
 ACの家族は、共依存であると同時に、もっとも病んでいる家族に対する「治療者」としても、自覚しないうちに機能するものだということがわかったのだ。
 しかし、専門家ではない人たちには、その方法は正しくとも限界がある。治療的補償行動をとるうちに、治療者自身が病気になり、疲労に倒れ、討ち死にしてしまう。私の母方の祖父も、母もそうだったし、その意味では弟もそうだったかもしれない。

 だからこそ、「私は生きるし、相手も相手の生きたいように生かしめよ」という言葉の重みは計り知れない。
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by ecdysis | 2010-08-24 03:32 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(0)

ecdysisは「脱皮」。管理者・心炎の悲嘆と絶望、歓喜と希望のあやなす過去・現在・未来を見つめ、アダルトチルドレンより回復する為のブログ。メール:flamework52@gmail.com(exciteメールは2018/9/18をもって使用不能となりました)