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自分を丸ごと受け入れるということ

自己肯定というのは、一度、大きなショックや気付きによって、受容できるものと、何度か繰り返して認識しなおさないと自分自身のものにならない場合とある。後者になればなるほど、より根源的で執着心の強い自己否定がともなうようだ。

 自己否定、自己限定、狭量な選択範囲、とでもいおうか。親や家庭環境によって「あってはならない自分」「否定すべき自分」「肯定してはいけない自分」が、たくさんあればあるほど、生き方はくるしくなり、窒息してゆき、究極的には心の病を発症する。「執着」「嗜癖」というのは、他の選択肢を選べる自分を想像しない、できない、受け入れられないがために発生し、長く深い苦しみを生む。

 私の場合は、家庭を持てない自分が受け入れられなかった。夫にも父にもなっていない自分を、そうではない状態に、なんとかしたかった。そのことは、このブログに何度も書いてきたとおり。「家庭の団欒」を経験しないで育ったことが、たまらなく嫌だった。それゆえに、自分がいつも人より劣った、異常な人間であるという想いが離れなかった。

 自分はできそこないであり、人間として不備と欠点の大きい欠陥人間であるとしか思えなかった。
 だからこそ、自分が経験したくてもできなかったことを、経験すれば、まともになれると信じた。欠けているものを埋め合わせれば、そのとき初めて自分はまっとうな人間として胸を張れると信じてきた。

 しかし、最近、私はそれが思い違いではないかと疑いはじめ、これまでとは異なる自己認識を持ち始めている。

 私は、家庭の団欒を知らずに育った自分を、そのままでいいと認めようと思えるようになった。
 夫にも父にもなれない自分を、そのままでかまわないと思えるようになってきた。
 欠けたところ、足りないところがあるから自分はダメだと思うのではなく、ダメだと決めつけることをやめた。欠けたままでも足りないままでも、それはそれで自分のありようとしてOKだと感じるようになってきたのだ。

 否、欠けている足りないもの、あるいは否定の理由になる要素がある、という発想からやめた。もともと、自分が欲しい願ったものに恵まれなくても生きていける人間なのだと、自分に対する見方を変えたのだ。

 そう。「こういうことを経験して、こういう生活をしてこそ真人間である」という親世代の価値観による裁きを捨てはじめている。いうなれば、「こういうことを経験していなくとも、そういう生活をしていなくとも、私は真人間である」と肯定できるようになりつつある。

 自分で自分を「異常である」と自己否定してきた人間が、「異常ではない」と自己肯定するようになってきたのだから、大きな変化だといえる。

 この変化は、実はこれまで通っていたACの自助グループとのかかわりを、最近みずから切ってから起こった。それまで、そこに依存していたのだが、そこには自分はいられないと感じて離れてから、自分の中に知らぬ間に急激な化学変化が生じたようだ。

 正直、離れるときは意見があわなくて口惜しい想いもした。けれど、またも、手放して初めて受け取った代償が、「自己肯定」という贈り物だったことは、驚きとありがたさを禁じえない。

 持っていなくても、足りなくても、経験していなくても、それを理由に自分をダメだと断じたり、裁いたり、責めたりする必要はまったくない。そう思えるようになってきたのは、私にとってひとつの大きな奇跡だといってよい。
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Commented by riko at 2012-02-14 21:10 x
心炎さん、こんばんは。
お久しぶりです。って、もう忘れられっちゃったかなぁ・・・
いつも記事は読ませていただいているのですが、コメントを書く時間がありませんでした。
近況などいろいろと書きたいので、また寄らせていただきますね。
また機会を逸してしまいそうなので、今夜はご挨拶だけはと思いました。
相変わらずの貧乏暇なしですが、とりあえず生き延びています。(笑)ピアノはのんびりと続けていて、ただいま「G線上のアリア」を弾いています。ではまた。
Commented by 心炎 at 2012-02-15 01:45 x
rikoさん、こんばんは。おひさしぶりですね。ピアノはお続けになっているのですね、よかったです。昨年は、うちの実家の方も大震災でたいへんでしたが、rikoさんもご無事だったようでよかったです。また、気が向いたとき書き込んでくださいね。長くなりそうならメールでもかまいませんよ。
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by ecdysis | 2012-02-11 00:37 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(2)

ecdysisは「脱皮」。管理者・心炎の悲嘆と絶望、歓喜と希望のあやなす過去・現在・未来を見つめ、アダルトチルドレンより回復する為のブログ。メール:flamework52@gmail.com(exciteメールは2018/9/18をもって使用不能となりました)