恐れと親戚

七十歳代半ばの父が、実家でころんで膝の皿を割って入院している。
 歩いて10分ほど先に住む、父の弟の叔父夫婦が、私の妹とともにいろいろと手伝ってくれている。
 私は離れた東京暮らしなので、すぐにとんでいけるわけでもないし、何度も行き来できるわけでもない。
 叔父夫婦から見れば、はなはだ頼りない息子だと思っているにちがいない。

 その叔母(義理の叔母)が、私や妹が私の父の退院・リハビリ後の面倒を、叔父たちに押し付けてくるのではないかと、ひどく恐れているという。私も妹も、そういう印象を与えるようなそぶりも言葉もとってこなかったはずなのに、ひどく不安がっているという。

 私は、とっくによき父・よき夫・よき兄・よき家庭人となることを放棄した人間だ。
 親戚から恨まれても憎まれてもかまわないと思うが、痛くもない腹をさぐられるのはごめんだ。
 
 私にとって父をめぐることは、ACとしてのトラウマ源であり、実家がらみの問題が起こると、非常に消耗するし抑鬱的になる。少年時代から「落ち着いている」といわれてきたが、なんのことはない。いつも心配ごとばかりで、少年らしく遊んだり開放的に行動することができなかっただけなのだ。

 いまさら、田舎の親戚たちが望むような「良き長男」になど戻れない。
 
 今朝も、死んだ弟の夢を見た。酔っ払って暴れる弟を、必死でとりおさえる夢だ。
 それは、過去に現実だったシーンの再現にほかならない。ひどく憂鬱になった。

 私は、自分の生まれた家で、醜いものや愚かなものや嫌なものばかりを体験してきた。
 親戚たちとのやりとりもそうだ。父方の親戚たちとは親しくする気になれない。
 むろん、彼らも、アルコール依存症の祖父と人格障害の祖母との間に生まれた、自覚なきAC世代である。

 だが、私はその輪の中にすっかり入ることはもうない。

 親戚よ、あなたがたの生き方と私の生き方は、まったく乖離してしまっている。

 ただ、あなたがたと私との間に、神様の御意志がなりますようにと、祈るばかりである。
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by ecdysis | 2014-06-29 23:33 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(0)