人気ブログランキング |

どんなにひどいACでも孤独ではない。「回復」して「居場所」を見つけよう。

 祖父と父そして母のアルコール依存症、また祖母の重篤な人格障害の間で育った私には、一個の人間としての健全な精神的情緒的な機能が、備わらなかったとわかる。
 健康で適切な問題処理のできる大人になれなかった。少なくとも、結婚して家族を持って維持できるほどには、そういう機能が十分に育たなかったのだ。

 私は24歳のときに童貞を無くしたが、初体験の相手はカルト信者の誇大妄想症だった。それから深い関係になった女性は一人残らず、鬱病だったりパニック障害だったり人格障害だったりした。健康な女性とつきあいはじめたことは数回あったが、それらは皆、長くても数週間で別離した。あるいは私の方で原因不明の恐怖に襲われて関わりを続けられなくなったりした。
 こうまでAC性の人間関係図が露骨に描けると笑ってしまうほどだ。

 だが笑っていられる場合ではない。私が生まれた時には、アルコール依存症の祖父と父、人格障害の祖母がすでにいたし、唯一、まともと思われた母も共依存のあげく、私が中学生にあがるとキッチンドリンカーのアルコール依存症になってしまった。
 私の「家族」は皆、病んでいた。私と妹は、まだ母がまともだった頃に幼少期を過ごせた。小学生のうちに、母方のまともな祖父母にしつけしてもらえたから、いまだに生き延びている。
 しかし、両親ともアルコール依存症になってしまった中で幼少期を過ごした弟は、アルコール依存症が進行して33歳で早世してしまった。

 家族が皆、精神を病んでしまえば、自分も病むことはもちろん、結婚生活を送ろうとするとき、選ぶのもやはり心を病んだ相手ということも往々にしてある。。
 それは、不思議な嗅覚というか磁力のようなもので、ACどうし、病んだどうしが引き合うのだ。本人は、まともで健康な相手を選んだつもりでも、内実を知ればその通りではなかったりする。結婚して相手の本当の姿に初めて触れたとき、パートナーもACであり病んでいることがわかるという話は珍しくない。 
 
すべてのACがそうだというつもりはない。自分より健康で優しい面倒見のいい配偶者に恵まれる人たちも確かにいるからだ。
 また、はじめから心を病んだものどうしであることを認めた上で、相応の覚悟をもって結婚生活に入る人たちもいるし、それがうまく続くケースもあれば、残念な結果になってしまうケースもある。
 少なくとも、「これに従えば、確実にAC家庭が回復し、結婚生活がうまくいく」という確実な処方箋はないのかもしれない。

 自助グループのいわゆる「12ステップ」をちゃんとやれば、うまくいくという人もいるし、その通りになったという人もいるが、すべての場合に通用するとは思えない。
病気も問題も多種多様なので、回復についてはケース・バイ・ケースとしか言いようがないのが本音だ。

 ほかの人のことはともかく、私個人について言えば、ここまでAC性と生い立ちのトラウマが深刻である以上、この年だし、ほかにやるべきことはあるし、結婚は無理だろう。
たとえていえば、傷ついたDNAは傷ついたDNAしか再生産しないし、ガン細胞はガン細胞としてしか生きられない。
仮に願望が実現したとしても、配偶者や子供たちに病気の再生産をして世代連鎖させるのが関の山だろう。離婚や失敗した婚姻、育児や教育に不備不足欠点の多い問題家庭は、世の中に山ほどある。
 もちろん、ガン細胞を正常細胞に戻す抗体はあるし、それでうまくいけばそれに越したことはない。

しかし、私の場合は、もはや手遅れだ。神様の指がお示しになるのは、結婚でも恋愛でもない。

 まだ青年だったころ、たまたま聞いたラジオ番組か何かで、10代の心傷ついてグレた少女が、米軍の黒人兵と知り合い、彼の愛によって癒され更生したという実話を聞いた。それが、ものに感じやすい私の心を直撃し、「恋愛には人を救う力がある」と信した。
 それより後、私はよりいっそう恋愛・異性愛に救いを求めたが、それが依存であるとは数年前まで気づかなかった。
そして、それらが自分を救ってくれないことに大きな失望と幻滅を感じたが、依存であると知った今、それは無理もない事だったと思う。

 もちろん、依存症からの「回復」によって、普通に恋をして結婚して家庭を営めるようになる人たちは、たくさんいる。
 その一方、「回復」の方向性が、そうではない私のような人たちもいる。

 それは「世代連鎖の防止」という重要な役目を負っている場合だ。
 回復することで、自分が独身の運命を背負っていることを認め、それを前提に生活し、ACや依存症の次世代を作らないという目的を達するパターンだ。
 普通に健康に暮らしているACでも依存症でもない人たちからは「そんなバカな」という声が聞こえてきそうだが、世代連鎖の防波堤の役割をする人物が、どこの家系でも必ずいるはずなのだ。

 私は、自分が長男であって、家を継いで家系を存続させることを前提に育てられたので、こういう発想はもっとも受け入れがたかった。
 しかし、年齢と経験を重ねるうちに、それもありうるのだとわかってきた。
 あるいは、自分が家庭を持つために必要だった経済的・肉体的・精神的エネルギーを、機能不全の原家族のためについやしてしまい、結婚しそこねたといってもいい。
 それでも、神様は健康な恋や結婚や家庭を得るかわりに、別のものと機会を与えてくださっていると私は信じている。

 それが何かの才能発揮の場であっても自助グループであっても、「自分の居場所」があればいいのだと思う。
「家庭」以外の自分の「居場所」。それが見つかれば、独身を約束された身でも、生きていける。それを見つけるには勇気がいるが、見つければ強い。
 どこにも居場所がない、だれからも愛されていない、だれからも関心を持たれていないと思いこんだからこそ、私たちはACとなり依存症者となったのだから。

 だから、祈ろう。

 神様、どうか私に安心できる居場所をお与えください。
 どうか私に愛されていると感じさせてください。
 どうか私に見守られていると感じさせてください。
 私が願うべきことを願わせてください。
 私が願うべきでないことは未練なくあきらめさせてください。
 私の生涯に神様のご意志がなりますように。
 私の死後にも神様のご意志がなりますように。
トラックバックURL : https://ecdysis.exblog.jp/tb/23614737
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by 40 at 2015-04-15 18:49 x
自分と同じような考え方を持っている、管理人様のような方にお目にかかれて少し救われた感じです。自分はACを自覚する前、恐らく20代前半には「世代連鎖の防止」というのを「自分の親は異常である。その血を受け継いだ自分もまた異常である。この血は絶やさなければいけない。」と感覚的に思っていました。
「お前は長男であり「家」を継ぐ人間である」という類の言葉は小さい頃から嫌になるほど聞かされて育ちました。でも結婚なんて考えられなかったですし、自分が子供を持つ自分の姿を想像出来なかったです。また想像したくもなかったです。
それなのに人と触れる事、繋がり、安らぎ、温もりを欲してしまう別の自分がいることに気づく時、未だにどうしようもなく混乱してしまいます。
管理人様の言われる「自分の居場所」が自分にはまだ見つかっていないんだと思います。
脈絡のない文をダラダラと書いてしまい、申し訳ありませんでした。
Commented by 心炎 at 2015-04-18 13:23 x
40さん、はじめまして。コメントありがとうございます。深く共感していただいたようでうれしいです。ACの自覚を得ると、それまで気付かなかったことに気付いてショックを受けることもたくさんありますが、そこからが健康な自分を取り戻す回復の門をくぐっていくことになります。今後とも、よろしく閲覧のほどお願いします。ともにACから回復していきましょう。
Commented by Kacchi at 2017-07-02 17:57 x
管理人さん初めまして。今年33歳になる男性です。世代連鎖の防止、自身のACについての悩みが限界に達した今の時点でこのブログに辿り着きました。是非一度お会いしたい程です。これからも読ませていただきます。
Commented by ecdysis at 2017-07-14 03:48
> Kacchiさん
ようこそ。ご返事遅れてすみません。相当にお悩みのご様子がうかがえます。ACは私ももちろんそうですが、それぞれが過酷で悲惨な家庭で育っています。Kacchiさんの苦しみは、私たちACのみんなの苦しみと同じです。ひとりじゃありませんから、ともに生き延びていきましょう。今後とも、当ブログをよろしくお願いいたします。
名前
URL
削除用パスワード
by ecdysis | 2015-03-04 04:35 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(4)

ecdysisは「脱皮」。管理者・心炎の悲嘆と絶望、歓喜と希望のあやなす過去・現在・未来を見つめ、アダルトチルドレンより回復する為のブログ。メール:flamework52@gmail.com(exciteメールは2018/9/18をもって使用不能となりました)