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「生き方の病」と「宗教依存」

 これまで述べたように、病的な一発逆転願望は、依存症者の「生き方の病」の現れである。この症状が、「カルト宗教依存・教祖依存」という形で社会現象化してきたことを、過去の体験を振り返って思いがけず発見した。

 具体的には、過去・現在に宗教化して今に伝わる、「ノストラダムス予言」やさまざまなカルト団体が喧伝する「ハルマゲドン思想」「終末思想」あるいは日本でも平安時代にあった「末法思想」、大正時代に大流行した「立て替え立て直し思想」等である。私も一時期、ハルマゲドン思想にはまっていたし、オウムではないが前世紀の終わりごろにはやったカルト団体の信者でもあったので、オウム真理教の信者たちを一方的に批判して、自分はそういう思想は持たなかったという顔をすることはできない。

 新約聖書の「ヨハネの黙示録」や旧約聖書の預言や、福音書のキリストの預言なども、ちゃんと調べてまともな解釈を働かせれば、世界終末のことなど語ってはいないのに、どうしてもそういう風に解釈したがり世人を惑わす輩が、古今東西絶えない。

 つまり、ギャンブル依存の人たちがパチンコや賭け事で、「自力で一発逆転」を狙うように、自分や自分の民族や自分の宗派だけが「いつか神の力によって、被支配・被差別・弱者の立場から、一発逆転して征服者・支配者・強者として社会に君臨する」ことを願い欲望し続けるのが「終末思想信者」というものだ。

 そのようなわけで、実は、私も、ギャンブル依存症者も、オウム真理教信者も、カルトの終末思想の信者も、みな「生き方の病」ゆえにそうなってしまったのだ。

 それらのカルト盲信の経験から、私が深刻に学んだのは、終末思想を信じるものが体験するのは、実は世界や人類の終末ではなく、自分や自分の家の終末であるということだ。逆をとれば、終末が運命づけられた家にこそ、家族間に「生き方の病」が発症し、機能不全家庭になり子供たちがACになって家系を継ぐ能力を持てなくなる道をたどるのだろう。

 そういう子供たちが、自分たちの家庭の「終末」の近いことを、「終末思想カルト」を信じるという形で表現したのかもしれない。人類世界の終末を信じる者は、実は無意識に自分の血筋と自分の家が滅びる日を予感しており、それを世界終末という誇大妄想のスクリーンに、拡大投射しているだけなのだ。

 そして、自分たちが選ばれた民として浄化された地上天国に住まうという幻想と願望は、あまりにも不幸不遇だった生い立ちのみじめさを、「一発逆転させたい」という切実な願いの無自覚な表れでもある。

 そういう私でも、終末思想から離れられたのは、実は前世紀末より日本の「古事記」「日本書紀」をきちんと読むようになったからだ。そこには、聖書やコーランにも書かれているような、世界破滅だの終末だの、選ばれた民だけが生き残って後は全滅させられると解釈されても仕方ないような、恐ろしい思想はかけらもみあたらない。

 そのあたりから、私は急速に神道に傾倒し学ぶようになった。

 そして、神道といえば天皇家に言及しないわけにはいかないので、畏れ多くもあえて書くけれども、私が皇室に強い関心と崇敬の念をいだくようになったのは、自分がACであることと密接な関係が実はある。

 ACは機能不全家庭から生まれる。そして、その家系の直系は、それこそ三代ほどで終末を迎え滅んでしまう。私の生まれた家もそうだ。

 しかし、天皇家は、古事記などによれば、今上陛下で125代目である。皇太子殿下に譲位されれば、126代目の天皇として即位される。実は「天皇」という呼び方は中国の道教思想で北極星を表す「天皇大帝」からとったもので、輸入語だ。本来は「天津日嗣皇命(あまつひつぎのすめらみこと)」というのが、正しい大和言葉での天皇の尊称とされる。

 私がACとして自分の代で家が滅ぶのを悲しんだとき、125代も続いている皇室は、なぜそんなに永く続いているのかと、非常に強く関心をそそられた。もちろん、一般庶民の一家庭と日本国を象徴する皇室をひとしなみにはできないけれども、とにかく三代で滅びる家と125代も続く家は、どこがどうちがうのか切実に知りたくなった。

 皇室といえども、もちろん厳密に直系が続いてきたわけではない。しかし、一個の家庭として同じ立場と役割と家系集団の中心を維持してきたことはまちがいない。皇室の歴史を詳しく調べてみると、普通の家庭で起こるあらゆる問題が、125代もの間にやはり起こってきたことが理解されるし、家系が絶えそうな危機ももちろんあったことがわかる。おそらく日本で最も古い家柄にして世界で最も古くから存続している王家として、天皇家は「家庭」や「家系」というものが持つ問題点と、そこから起こるあらゆるトラブルを、ことごとく経験し乗り越え済みの御一家のはずである。

 では、皇室は、どうやってその危機を乗り越えてきたのか。それをこれから、書いていきたいと思う。



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by ecdysis | 2017-12-18 02:09 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(0)

ecdysisは「脱皮」。管理者・心炎の悲嘆と絶望、歓喜と希望のあやなす過去・現在・未来を見つめ、アダルトチルドレンより回復する為のブログ。メール:flamework52@gmail.com(exciteメールは2018/9/18をもって使用不能となりました)