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ecdysisは「脱皮」。管理者・心炎の悲嘆と絶望、歓喜と希望のあやなす過去・現在・未来を見つめ、アダルトチルドレンより回復する為のブログ。メール:flamework52@gmail.com


by 心炎

妄想は台風の目

 意志と行為が両立して形になって実現する欲や願望は、それでいい。
 問題は、意志はあるのにいつまでたっても実現するに足る行動にならず、画餅で終わる願望、すなわち妄想だ。この妄想で終わる欲は、自分をふりまわすだけでなく、家族や知人をも巻き込んで物心ともに迷惑と損害を与える自家中毒台風だ。

 私の場合、それは頑なな結婚生活・家庭建設の願望となってあらわれて、ほぼ三十年近く過ぎた。四半世紀以上もたってやっと気づくほどの、ひどい頑なさだった。自分としては当然の悲願であり、だれにも非難される余地のない願望のはずだった。しかし、実現しなかった。想いはつのれど、なにひとつ実現せず、いざとなるとわけのわからない恐怖に襲われ、願望は砂城の正体をあらわにする。

 いい加減に気づけという神のご意志がはたらいているようだと感じてはいた。しかし、認めるわけにはいかなかったのだ。ふりかえれば、いつかよい相手を得て理想的な家庭をつくるという願望がどれほど自分を迷わせたか、少しふりかえってもすぐわかる。私が理想の場所と信じたカルトに入ってひどい目にあった原因も、そこで運命の相手を見つけたいという欲が、半面で働いたのは事実だ。

 そのような「嫁さがし」を気持ちにいだかない恋愛がいつあったか。ほとんどなかった。普通は、まず相手を好きになり恋をして、はじめて結婚を意識する。ところが、私ときたら、あらかじめ結婚を前提に、そこから逆算して基準にかなう女性を選ぼうという、驚くべき傲慢な姿勢だったのだ。

 それを変だとも思わずに、少年時代から続けてきた。相手を好きになった結果、結婚といいう選択肢が生まれるのが普通だ。しかし、私の場合、結婚するために好きになるという逆転が当たり前になっていた。そこからして病的だ。これでは恋愛ではなくお見合いの試みにすぎない。普通の女性たちが引くのも当然だろう。

 すべては母の願望すなわち妄想を、実現可能と信じた結果だ。母親のために恋をするという倒錯的な男性性の持ち主として、私は女性たちと接してきたのだ。それが不健全であるのはいうまでもない。いってみれば、私の恋愛と結婚に対する感覚は、普通の人たちのそれを車の車線にたとえると、逆走に等しい無茶だったようだ。いまさら気づくのも遅いが、気づかないよりはずっといいはずだ。

 なにもかも、はじめから倒錯し逆立ちしていた。そのことに気づかないから、修正もされずにこれまできてしまったのだ。それゆえの深刻な迷いや苦しみや踏み外した行為もあった。だが、二度と同じあやまちはくりかえさないように、これから意志しよう。
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by ecdysis | 2007-08-17 00:33 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(0)