人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ecdysisは「脱皮」。管理者・心炎の悲嘆と絶望、歓喜と希望のあやなす過去・現在・未来を見つめ、アダルトチルドレンより回復する為のブログ。メール:flamework52@gmail.com


by 心炎

瞬間的に死にたくなった

 少年時代の自分に戻り、風呂に入ってあわだらけになりながら、「こんな、女を守ることも、家庭を維持することもできない無能な男は、死んだほうがましではないか」と、ふと自殺しようかという念慮が働いた。

 普通の男性たちが、家族を守るためにいろいろ苦労しているのに、この自分のていたらくはなんだろうかと思った。結婚の約束を果たせなかった女性たちがくれた愛に対し、答えられなかった罪悪感が眠れなくする。その後悔と未練とともに、彼女らに報いるには、自殺しておわびするしかないのではないか、と本気で考えた。

 働かない父を、叱咤激励、憤激罵倒していた母の声や顔が明滅する。
「ダメ男」「こんなやつと結婚して失敗した」「稼がない男は出て行け」「おまえのようなものは家の旦那とはいえない」「死ね、死んでしまえ」などなど、父の会社が倒産してから、飲んで暴れて暴言を吐き散らす父に、母は怒りとののしりを与え続けてきた。

 そうだ。私がつぶさに見てきた、苦痛きわまる夫婦関係のイメージが、心の中に沈殿してはわきあがる。

 母が最後の病に倒れる直前まで、父に与えてきた悪罵を、私自身があたかも受けているかのように感じる。わかっている。これによって生じた罪悪感こそ、3年前、うつ病に私をおとしいれたものなのだ。

 母の男性観が、私を苦しめる。そして、彼女の男性観は、決して異常でもとっぴなものでもないから、なおさらのこと罪悪感になったのだ。

 小学校の時分から、父の酒と暴力の問題を中心に、父と母はいつも激しい夫婦ゲンカを繰り広げてきた。子供の私には、彼らの声が聞こえない場所がなかったので、いつも不穏で荒廃した雰囲気の中にいるしかなかった。

 それが、どれほど子供の私の心を傷つけてきたか。
 久しぶりに、父母のケンカにあけくれる悪罵と怒声といさかいの毎日を思い出した。
 いまになって泣けてくる。泣くしかない。両親が不仲であるという環境を悲しんで、私は少年に戻って、今夜も涙を流す。
名前
URL
削除用パスワード
by ecdysis | 2007-09-28 01:42 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(0)