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高層ビルへの恐怖

 あまりにも病的で精神に異常をきたした浪人時代を、極度に悲惨な失恋とともに逃げるように終えて、東京の大学に入学してまもなくのことだった。

 当時、大学のクラブ活動は、マイナーもマイナー、「哲学研究会」に所属した。
 わりとノンシャランなNやKという二つ上の先輩に連れられて、サルトルを読んだり、美術館通いをしたり、鎌倉へいったりして、最初の春はとても楽しかった。連れられていった鎌倉では、Kにさそわれて、「露西亜停」という店に入り、生まれて初めて「ピロシキ」と「ボルシチ」を食べて、とてもおいしかったのを思い出す。あの店は、まだあるだろうか。

 しかし、生まれて初めて西新宿に立ち、高層ビル群を見上げたとき、私はその巨大さに圧倒されて恐怖を感じた。それは、浪人時代の夏に、海に感じた「巨大なものへの恐怖」とまったく同じ反応だった。今ではなんともないが、あのときは、超高層ビル群を見あげただけで、心臓がどきどきし、冷や汗が全身から噴き出して、パニックに近い状態になった。

 巨大なものがこわかった。自分でコントロールすることが100%不可能な対象には、ただ恐怖を感じるしかなかったのだ。長くひきこもりの対人恐怖症をわずらっていた私には、その程度のことさえ、精神の安定をぶれさせる出来事だった。

 こうしてみると、私も「パニック障害」の持ち主であるということが自覚できる。

 パニックそのものに陥る時間は、日常的に自覚できないほど短く浅いのだが、その後遺症ともいうべき「虚脱状態」の方が強く表面に現れる。それが、傍目には「間が抜けている」「気ばたらきがない」「忘れっぽい」というような「欠点」に映る。

 私は、母にネグレクトを含む虐待を受け、肉体的にも精神的にもひどい恐怖を感じる環境に長くあったので、「非常なこわがり」で「すぐにフリーズ」し、「極度のあわてもの」にしか見えない「パニック障害の発病者」なのだ。

 これを、どう落ちついた性格に変えられるか、まず一生の課題だ。
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by ecdysis | 2007-11-29 22:19 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(0)

ecdysisは「脱皮」。管理者・心炎の悲嘆と絶望、歓喜と希望のあやなす過去・現在・未来を見つめ、アダルトチルドレンより回復する為のブログ。メール:flamework52@gmail.com(exciteメールは2018/9/18をもって使用不能となりました)