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寂しさの源流

 ひさしぶりに、さびしい気持ちで深夜に目覚めた。いつ眠りについたのか覚えていない。
 疲れがたまっているようだ。
 頭上の蛍光灯の豆電球の暗いくすんだオレンジ色と、カチコチ鳴る目覚まし時計の音が、心の裏側の奥にひそむ、いまはない昔の生家の夜を思い出させる。もう何十年ぶりだろうか。

 深夜に、ひょんなことから、ふと目が覚めて、眠れなくなることが、中学時代にあった。
 そのときの、なんともいえない、わびしさと悲しいような孤独感を思い出す。
 自分だけが目覚めて、ひとりだけでいる、霜が降りるような寂しさだ。

 家族は、みな別室で眠っていて、家の中で起きているのは自分ひとりで、しかも朝がくれば学校にいかねばならない。取り残されたわびしさと、翌日への焦りとで、まんじりともしない夜を、何度か経験した。

 さびしさをまぎらわそうと、ラジオをつけるが、なかばこもったようなDJの、やけにハイな口調が、流れる音楽とともに、かえって夜のわびしさを倍加させるだけだった。ほかの学生のように深夜放送を楽しむことができなかった。私のいるのは、典型的な地方の農村で、電波の発信源の都会の雰囲気が、逆に自分の置かれている状況が、救いようもなくさびしく遠い場所になることを、きわだたせてたまらなかった。

 そういう、過去の記憶を、今日は二十年以上もたって思い出した。

 寒い。心が孤独で、寒い。わびしい。自分のほかには、だれもいない。
 だから、何かを使って、どうにかして眠らねばならなかった。その孤独感と焦り、とりのこされた感覚が、アルコールをはじめ、さまざまな依存の対象に走らせた。

 自分もほかの人と同じく、眠り、すなわち意識をなくすために。
 これが酒でなく、睡眠薬でもセックスでも、同じことだったろうと思う。

 だが、今はそのわびしい取り残された感覚を抱えつつも、シラフでいようと思う。
 自分だけ目覚めていてもいい。
 私を守ってくださる神様が、ともにいてくださる。

 そう信じよう。私の愛するすべての人々、あらゆる形でかかわっている、すべての人たちの上に安眠を与えたまえと、祈りつつ。もういちど、おやすみなさい。

 
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Commented by アル症のRです。 at 2008-03-23 06:51 x
う~む・・孤独が癒されないようですな~・・私は子供の頃から」「良い夢」を見たことが無くて、眠るのが怖いと、いつも母親にダダをこねていました。飲んでいるときは、心炎さんと全く同じ感覚でお酒と眠剤を使っていましたね。今、真昼間でも、幼いころの実家を思わせるものを見ると、ド~ンと喪失体験をします。深夜の空しい目覚めは少なくなりましたが、未だ眠剤をのんでいます。そろそろ切ってみようかな・・夜明けのカラスの声に焦ります。眠れなくて朝まで飲んだとき、ひとりぼっちで朝まで放浪したときの想い、まだまだ飲んでいたいのに仕事があるんですよね。今からセミナーに行ってきます!
Commented by 心炎 at 2008-03-24 23:14 x
>Rさん
 夜中の孤独、いやですね~。あの、ひとりぼっちのさびしさは、たとえようもありません。実家を思わせるもの、原家族の記憶につながるものは、本当におちこませたりしますもんね。
 でも時間とともに、少しずつ喪失体験のショックもやわらいで、より冷静に思い出せるようになると思います。
 あきらめないで、依存症から離れる努力をともに続けたいですね。
 Rさんが、よりよく回復してゆきますように。
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by ecdysis | 2008-03-23 03:13 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(2)

ecdysisは「脱皮」。管理者・心炎の悲嘆と絶望、歓喜と希望のあやなす過去・現在・未来を見つめ、アダルトチルドレンより回復する為のブログ。メール:flamework52@gmail.com(exciteメールは2018/9/18をもって使用不能となりました)