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 ここでいう「回復」とは、共依存を含む各種依存症・嗜癖などの不健康な行動を手放し、自分をとりもどし、健康な日常生活を送れるようになることを意味します。さらに、ここでいう「健康」とは、何か問題が起こったときに、健全で適切な対処法をとれる状態に、心身が日常的にあることを意味します。

 自助グループで用いる12ステッププログラムと並行して、いいならわされている、いわゆる「スローガン」の英語と日本語訳を列記しました。
「平安の祈り」とともに有名なものばかりで、12ステップにふれたことのある方なら、このうちのどれかは耳にし目にしていることでしょう。
 以下のスローガンは、依存症や嗜癖から解放されるための道しるべとなるものです。

スローガン
(各「意味」の解説は、心炎が体験したことや、各種自助グループの人たちや医師・精神医療の関係者に教わって気づいた所をもとに書かせていただきました)

1.気楽にやろう(でもやろう)/Easy does it.
意味:回復のプログラムは肩肘はることも、ことこまかにこだわることも無用です。ただ、実行すればいいのです。英語だと「つべこべいわずにやってみな」「とにかく、やればわかるよ」という感じだそうです。くよくよしたり恐れにとらわれる必要もありません。

2.シンプルにやろう/Keep it simple.
意味:難しく考えないで細部にこだわらないで単純にやりましょう。

3.手放して神に預ける(ゆだねる)/Let go and let God.
意味:自分を苦しめているこだわりは、自力でどうにもならないなら、解決の時期と方法を含めて目に見えない大いなる意志に預けてしまいましょう。手放しても大事にはなりません。むしろ、大いなる意志がよりよく取り計らってくださいます。

4.生きよ、そして、生かせ/Live and let live.
意味:人は一人では生きられません。生かされている自分を自覚して生きましょう。生かされているのだから自分も恩返しに人を助けましょう。

5.深刻に考えすぎないように/Don't take it too seriously.
意味:問題となるできごとは深刻に考えすぎても解決にはなりません。むしろ、肩の力をぬいて「なるようになる」と信じて行動する方がよくなります。深刻に考えすぎる最大の問題は「行動できなくなる」ことです。ミーティングに参加するなど、行動することで変化が起こります。その変化が回復につながってゆきます。変化を恐れないようにしましょう。望んだことの大部分が実現しないように、恐れたことの大部分も実現しないものです。

6.今日一日/One day at a time.
意味:忍耐や我慢も、今日一日だけだったらなんとかできるでしょう。昨日までのことは変えられません。明日のことはわかりません。ですから、今、生きているこの一日だけ、健康さを取り戻すことに気持を向けましょう。

7.あなたに与えられている恵み(祝福されているもの)を数えましょう/Count your blessings.
意味:自分について否定的な過去のトラウマや恨みや怒りの相手のことばかり考えては被害者意識が強くなって回復がさまたげられます。自分が持っていないものや欲しくても手に入らないものや失ったものばかりを見るのは回復にむすびつきません。今、自分が持っているものや、手に入れたものや、すでにあって当たり前と思っているものを、改めて認識しましょう。回復してくれば「当たり前のものごとなどない」ということがわかるようになってきます。

8.これもまた過ぎ去る/This too shall pass.
意味:どんなに大変な苦しい体験の渦中でも、時間の流れはとどまることはありません。諸行無常という仏教の教えがある通り、目の当たりにしている現実がいかに過酷でも、これもまた過ぎ去って過去になります。ですから、いつまでもこの状況が続くととらわれるのではなく、「なるようになってゆく」と信じて過ごしましょう。あらゆるできごとは、はじまりがある以上、かならず終わりがあります。この大変な状況も、かならず終わりを迎えるということを思い起こしましょう。

9.自分に正直に/To thineme.
意味:自分と向き合うことは回復に必須の行動です。「あってはならない自分」「いてはならない自分」という親や周囲から教え込まれた裁きによるのではなく、「こんな自分」も、「あんな自分」もいるということを正直に認めることが大切です。その際、自己嫌悪や羞恥心にとらわれないようにしましょう。驚くような自分でも、軽蔑したくなるような自分でも自分です。そして、そういう自分をもっているのは自分だけではなく、ほかの人もそうなのだとわかってきます。本当の自分に向き合うのがつらくて苦しいときは、理解してくれそうな人に助力を求めるのもいい方法です。他者に相談することのメリットは、答えを得られるかどうかよりも、人に向かって話しているうちに、自分の中で問題が整理され、気づきを得ることがとても多いということです。

10.どうやって回復するの?(HOW)
Honesty=正直さ 意味:自分に正直に
Open mindness=心を開く  意味:自分にも人にも恐れずに隠すことなく、素直になりましょう
Willingness=やる気  意味:変わりたい、回復したいと本気で思えば必ずよくなる。

11.3つのC/Three C's :cause,control,cure.
I didn't Cause it(私が原因ではない) 
意味:自分にとって、とらわれる人や物事があったら、その人がそういう人間になったのは、私のせいではないという事実を思いましょう。問題となるできごとがあったら、私が原因でこういう事態になったのではないという事実を想いましょう。自分が原因ではないことにまで過剰な責任を感じることは回復にむすびつきません。

I can't Control it(私にはコントロールできない)
意味:自分にとって、とらわれる人や物事があったら、その人の性格・欠点・ふるまいをよくも悪くも変えることは、私にはできないという事実を思いましょう。問題となるできごとがあったら、私の力ではこの事態を改善も悪化もさせられないという事実を想いましょう。自分にできないことは手放して無力を認めましょう。

I can't Cure it(私には治せない)
意味:自分にとって、とらわれる人や物事があったら、その人の欠点・病的なふるまいを治すことは、私にはできないという事実を思いましょう。問題となるできごとがあったら、私の力ではこの事態を治せないという事実を想いましょう。自分に治せない事実を認めて、自分の限界と境界線を守りましょう。

12.私の意志ではなくあなた(神)の意志が成りますように/Thy will be done.
意味:自分の力ではどうにもならない問題や人間関係にぶつかったとき、こう祈りましょう。
「この問題について、私の意志ではなく、神様の御意志が成りますように」「この人と私との間に、私の意志ではなく、神様の御意志が成りますように」。こうして祈った後は、どんな結果になろうとも、神様のご意志が決定されたこととして受け入れましょう。最悪の事態になることはありません。「なるようになる」とは「目に見えない御意志の配慮のままになる」という意味です。

13.一日24時間/24 hours a day.
意味:「今日一日」と同じ。

14.HALTに気を付けよう(意味:以下の四つの状態はスリップ(症状を再発)しやすくなるのでなるべく避けるよう注意)
※=病的な感情や悪習慣が再発・フラッシュバックすること
Hungry(空腹):とりあえす何か食べる
Angry(怒り):怒ってもいいですが、とらわれて長引かせないように。
Lonely(孤独):だれかに会ったり電話したりメールしたり、愚痴をきいてもらえる人に連絡しましょう。
Tired(疲れ):頑張りすぎは禁物です。適度な休息は必要です。過剰なストレス・強いストレス等も休んで早めに解消しましょう。

15.神の恵みがなかったら/But for the grace of God.
意味「あなたに与えられている恵みを数えましょう」と同じ

16.第一のことは第一に/First things first.
意味:アルコール依存症者にとって断酒の継続が最も大事であるように、「回復にもっとも大事なことは何か」を忘れないようにしましょう。それを忘れることは、スリップの原因となり、最悪、命とりになるからです。

17.あなたは一人ではない/You are not alone.
意味:すでに多くの人に生かされて自分があります。助けを求めれば答えてくれる人たちがいます。同じ苦しみをもって生きている人たちがいます。それらをひっくるめてハイヤーパワーが見守っています。その見守りからもれる人間はいません。背中を向けるのは常に人間の側です。

18.4つのA 意味:回復に必要な四つの態度
Acceptance(受け入れる):自分が病的状態であること、あるいは回復途上であることを受け入れる。受容・受諾のことですが「進んで認める」という意味です。
Awareness(気づく):自分の状態がどうであるか、あるいは自分の変化に気づく。自分の問題や状態を知っていること、自覚のあることを意味します。
Action(行動する):自分の状態を改善するために、ミーティングに参加するなど、行動することを続ける
Attitude(姿勢を決める):自分はどうなりたいのか、どうありたいのか、なにをしたいのか目標をもつこと

19.良いところを見よう/Look for good.
意味:悪いところばかりを見ると、怒りや恨みや被害者意識ばかりがつのって回復が遠のきます。
だれでも、いいところは必ずあるので、そこも見るようにすれば寛容さを養うことができます。何よりも、人を裁く目線は、自分自身を裁く目線でもあります。人のいいところを見る気持ちは、自分のいいところを認める気持ちにつながります。

20.私はみんな(人々)を必要とする/I need people.
人は、衣食住ひとつとってみても一人では生きられません。家族や友人知己、学友や職場の人たちがいなければ、生活することができません。病院に通っているなら、医師や看護師・薬剤師などのみなさんがいなければ身体を保つことができません。
自助会・自助グループもそこに集まる参加者がいなければミーティング(例会)を開くことはできません。このように多くの人々の仕事と助けと奉仕などがあってこそ、初めて自分が生きていられるという事実に目を向けましょう。

21.自分自身を知ること/Know thyself.
いちばんわかっているようでわかっていないのが自分という存在です。いちばん大事なのにいちばん粗末にしてるのが自分というものです。いちばん向き合わなければならないのにいちばん逃げ回っているのが自分自身からなのです。自分自身を知ることは、家族を知ることであり、友人を知ることであり、人間を知ることであり、ハイヤーパワーを知ることにつながります。自分という「人間のサンプルのひとつ」を知ることは、知れば知るほど、他の人を知ることになります。自分に向き合わないうちは、自分という人間のサンプルへの無知による苦しみから脱することはできません。

22.比べないこと(「人は人、自分」という言い方もあります)/Don't compere.
意味:他人のことが気になって、自分のことがおろそかになってしまうとき、「人は人、自分は自分」と言い聞かせます。個人個人のやるべきことや領分や境界線を見失わず、他者にとらわれないための言葉です。
人には人の事情があり自分には自分の事情があります。隣の芝生は青く見えます。たとえば、遠くから見てきれいに見えたものが間近で見ればそれほどでもないという「遠美近醜(おんびきんしゅう)」もありがちです。ものごとも人の姿も、実態を知れば、こだわるほどの大差はないとわかります。

23.私ひとりではできなくとも、「私たち」ならできる。/I can't we can.
ひとりでできることは限りがあります。一人では無理でも二人三人と集団でやれば実現できます。自力でなんでもやろうとして無理をしてスリップすることも多いのです。できないことや難しいことは素直に助けを求めていっしょにやれば、たいていの実行計画も無理なく実現できます。なによりも、良い目的のために、人と協働することは、楽しく明るく温かい気持ちにさせてくれます。孤独を癒し、健康な心を取り戻すためには、良い目的のためにほかの人たちと同じ働きをすることが有効です。

24.違いさがしではなく、同じところをさがす/Don't look for different, look for similarities.
意味:違うところばかりを見ると、優劣の感情や孤独感がつのって回復が遠のきます。
だれでも、同じところは必ずあるので、そこを見るようにすれば、対等につきあう安心感と、寛容さを養うことができます。自分は違うと思い続けると、孤独感と居場所のない感覚が強まり、スリップの原因となります。
そうした「ちがいさがし」は、たとえていえば同じ太陽を見ているのに、自分の見ている太陽だけはちがうといっているようなもので事実ではありません。ちがうと思い込んでいるのは自分だけで、まわりからみれば「同じ人たちのひとり」とみられており、またそれが妥当な見方であることの方が多いものです。

25.今日は明日から死ぬまでの間の最初の日/Today is the first day of the rest of my life.
昨日までの過去は変えられません。今日一日を生きる心構えとして、定められた寿命のつきる日を想い、一日一日を大事に心を新たにして生きましょう。たとえ、過去がどんなにひどくても、残りの日々を大事に過ごせば、新しい自分に生まれ変わることができます。

26.説教無用、実践すべし/Don't preach,practice.
意味:知識や用語をたくさん人に語って教えようとするより、自分で自助会に参加したり回復につながる行動をしつづけましょう。
回復にとって「知る」ということと「行う」ということが、同じであればあるほど健康になっていきます。言うこととやることが一致すればするほど回復の程度が進んでいます。「知る」ことと「しゃべる」ことが一致しても、「行い」が伴わない人は、「回復が進んでいない人のうわごと」にすぎません。

27.それはそれほど重要だろうか?/How important is it?
意味:ものごとを深刻に受け取りすぎることと同様、考えすぎて重大視しすぎることは、回復する上での罠のようなものです。とらわれて考えがまとまらないときや袋小路に追い込まれているような気持ちになったときはリセットしたほうがよいです。そのリセットの言葉が「これは、それほど重要なことだろうか。こんなに悩まねばならないほど重大なことなのだろうか」ということです。はっとして、自分がとらわれすぎていたことに気づいてバランスを取り戻せます。

28.弱さは力/ My vulnerability is may strength.(※vulnerabilityは「傷つきやすさ」「攻撃されやすさ」「弱み」)
意味:通常の感覚では「強さこそ力」ですが、回復にはその価値観では役立ちません。回復に逆行する強がりや虚勢や自己顕示欲を温存してしまうからです。回復には「正直さ(素直さ)」「謙虚さ(へりくだり)」が不可欠です。その二つが「回復の力」です。通常の価値観では「正直者がバカを見る」「謙虚では競争に勝てない」ということがあります。ところが、回復には、自分の弱さを正直に認める、自分の高慢さを打ち砕いて謙虚になることが、どうしても必要です。過去を振り返れば、「それだけはいわないでくれ」といいたくなる弱みや痛いところがあります。それを認めて、あえて責められることを避けない。そのような態度が、病的な自分から健康な自分になってゆく「力」となります。自分の弱さやあやまりを素直に認めて、等身大の自分になってゆくことが「力」となります。それは、同時にハイヤーパワーの「助力」という最大の「力」をいただける方法でもあります。あなたの弱さを弱さのままにしておかない。それがハイヤーパワーの御意志です。

29.秘密は命取り/Secrets kill.
法律に触れる行為や良心に反する不正行為や人目をはばかる関係を秘密として抱え持つことは、回復にとって重大な支障となります。隠し事や不正直さをもっている分だけストレスと良心の痛みが蓄積し、ミーティングにも参加しづらくなり、いつか最悪の事態につながるからです。

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by ecdysis | 2019-05-07 16:56 | アダルトチルドレン・依存症 | Trackback | Comments(0)

ecdysisは「脱皮」。管理者・心炎の悲嘆と絶望、歓喜と希望のあやなす過去・現在・未来を見つめ、アダルトチルドレンより回復する為のブログ。メール:flamework52@gmail.com(exciteメールは2018/9/18をもって使用不能となりました)